Dolaの観劇・鑑賞日記

演劇やアートに心ときめく日々の記録です

どろろと百鬼丸の足跡を探して2

福井県あわら市北潟湖吉崎御坊

新作アニメ 「どろろ」では、百鬼丸の弟・多宝丸が入江に現れた巨大なカニの魔物と戦う場面があります。北潟湖加賀と越前の国境近くの吉崎御坊跡から眺めると、湖から日本海に注ぐあたりが見えます。

多宝丸が「民を想うよい君主になろう」として魔物退治の策を考えた丘と、イメージが重なりました。原作の多宝丸はわがままな若様でしたが、アニメと舞台では心優しく責任感のある少年。父親の焦りがなければ、きっと百鬼丸と2人でよい国づくりができたと思います。

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吉崎御坊跡の蓮如上人像。高村光雲作だそうです。吉崎は浄土真宗中興の祖・蓮如上人が、1471年から布教の拠点とした地です。応仁の乱から続く混乱の時代、一揆の嵐が吹き荒れる中で、この御山から民を見つめていらしたのでしょう。

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原作や新作アニメでは、百鬼丸と一緒に旅を続けてきたどろろが、戦いのない世の中をつくるために、農民たちと一緒に武士に立ち向かうことになります。作品では特に詳しく触れられていませんが、時代的に加賀一向一揆を連想させました。一向宗という名称は浄土真宗のことで、当時の人たちがそう呼んだのだそうです。

 

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一向一揆1488年に富樫政親を滅ぼし、以後100年にわたって百姓の持ちたる国」と呼ばれる門徒と武士の集団支配による国をつくりました。

 

石川県加賀市/橋立漁港

吉崎御坊からバスで橋立漁港付近に。

原作でも新作アニメでもどろろは百姓たちと加賀にとどまり、百鬼丸は1人で旅立って終わります。なんとなくその後の予感を残す作品もありますが。。

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どろろと百鬼丸のその後を、いろいろ思い浮かべています。

願望ですが、どろろは商売が上手だし百鬼丸はサバイバーなので、人とも大人になったら再開して大商人になってほしい!これからますます激しい戦国の世になり、黄金色に実るはずの田畑は荒らされるでしょう。百姓の持ちたる国」もやがて織田信長に滅ぼされてしまうし。

争いごとから少しでも逃れ、2人で自由に海を渡って生きていけたら嬉しいなあ。