Dolaの観劇・鑑賞日記

演劇やアートに心ときめく日々の記録です

6月の観劇・鑑賞

🎨『光陰礼賛~モネからはじまる住友洋画コレクション』展

2022.06.03  泉屋博古館東京
今年3月にリニューアルオープンした泉屋博古館東京。”泉屋”というのは住友グループのことなんですね。

まず、美術館がある六本木一丁目周辺の再開発に驚きました。高いタワーもある泉ガーデンとして生まれ変わり、昔はよく知っていたはずなのに迷子に😅

美術館はその一角にあり、住友家旧麻布別邸跡地で静かな庭園に面していました。

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モネ≪モンソー公園≫はこの美術館の雰囲気にぴったり。ローランス≪マルソー将軍の遺体の前のオーストリアの参謀たち≫は、演劇のシーンのようにドラマチックでした。

そのほか、ピカソシャガールなども。日本近代の巨匠たちの作品も素晴らしく、中でも浅井忠の水彩画に惹かれました 

 

📯コンサート・自衛隊吹奏楽団演奏会

2022.06.02 東京芸術劇場

陸上自衛隊中央音楽隊のコンサートに行きました。

子どもたちが小さい頃、親子の合奏サークルに入っていたのですが、そこでお世話になった作曲家・田中賢先生の作品が演奏されたので。
音楽隊は"日本最高峰の吹奏楽団"と言われるそうですが、りっぱな演奏でした👏👏

TVでお見かけした隊員のソプラノ歌手・鶫真衣さんも万葉集を題材にした曲で登場。額田王の和歌を唄いあげ、凜とした姫の佇まい!ますます人気ですね~✨

~”あかねさす紫野行き野守は見ずや君が袖振る~額田王

 

🎨日本画『奥田元宗と日展の巨匠』展

2022.06.03 山種美術館

奥田元宋の大作≪奥入瀬≫の「秋」と「春」の同時展示があり、一面に広がった色の洪水に満たされました。

bijutsutecho.com

 奥田元宋の赤、東山魁夷のブルーといわれるそうですが、日本画の豊かさにあらためて感じ入ってしまいます♪

山種美術館の三戸信惠さんが書かれた書籍『色から読み解く日本画』も購入。

画家を象徴する色から作品が解説され、とても勉強になります。

 

📷浅野久男・太田昭生写真展『地域との共生』

2022.06.04 エプソン丸の内

北海道で活動する浅野久男さんと、香川県の豊島を撮り続けている太田昭生さんの写真展です。

その地域に根ざす方たちならではの、土地の暮らしの匂いを感じました。


太田昭生さんの写真にある香川県豊島は、「アートと食の島」として多くの人が訪れており、私も何度も行っています。

しかし、この島は90年代に日本最悪と言われた産廃不法投棄問題が起こった島でした。太田さんはその再生を写真として残されています。

太田さんのもう一つのテーマとして、香川県大島にあるハンセン病療養所があります。伝染病という理由づけで強制的に隔離された人々を、長年取材されてきました。

誤った情報で人の自由を奪い、差別と偏見にさらし続けてきた歴史を、私も自分の目で観ておかねばと痛感したところです。

 

 

📷新田樹写真展『続サハリン』

2022.06.04 ニコンサロン

新田樹さんの写真展『続サハリン』で、サハリン残留韓国・北朝鮮人の問題を初めて知りました。

かつて樺太として日本の統治下にあったサハリン島。約40万人暮らしていた日本人の多くは、45年8月のソ連参戦により引き揚げることとなりました。しかし、朝鮮半島出身者とその配偶者であった日本人は、長い間サハリンを離れることは認められませんでした。残留者の帰還は現在も韓国と日本の外交問題がからみ、複雑な状況のようです。

写真展は、サハリンの食卓に並んだ食べ物の写真が印象的でした。その土地で積み重ねられた暮らしを思います。

 

🎨大英博物館北斎』展

2022.06.09 サントリー美術館

有名な《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》は、大英博物館所蔵が所蔵する版の摺りがとてもよいのだそうです。

国内にある肉筆画も素晴らしく、≪諸國瀧廻り 和州吉野義経馬洗滝≫での滝の描写に見入ってしまいました。「

最晩年の肉筆画「流水に鴨図」は案外身近なのかもしれない精神世界をのぞき込む感じ。「胡蝶の夢図」も絵と同化してしまいそうでした。

観ることができてよかったと心から。

 

🎞アニメーション映画『犬王』

2022.06.12 イオンシネマ

「犬王」は室町時代に実在し、人々を熱狂させた能楽師だそうです。

POPでエネルギーあふれる世界にひたすらワクワクと観てしまい、アニメや音楽にこめられた仕掛けに気づける余裕がありませんでした。少し歴史と能楽の知識を入れて、もう一度観たい!

NHK100分で名著『風姿花伝』のテキストは買ってみました。

 

🎪舞台『ひりひりとひとり』初日

2022.06.10  読売大手町ホール

さち子さんや勝吾さんをはじめ、作品に携わった皆さんの思いが客席にビリビリと届きました。今とても大事にしたい作品だと思います。

★気合いを入れて何公演も観ましたので、別途にまとめます。

 

🎪舞台「死神遣いの事件帖/幽明奇譚」

2022.06.12 ヒューリックホール

マイ初日でした。 幻士郎さんたちも含め、舞台全体が旅回り一座のお芝居を観るような楽しさ!エンタメ要素がぎっしりで親子の情も流れ、皆さん巧みですね.

迷いましたがパンフも買ってよかったです!丁寧なつくりで対談も写真も充実。後々まで楽しめそう♪

 

🎨アート『ゲルハルト・リヒター展』

2022.06. 09  国立近代美術館

作品に巻き込まれて、目で見たことが私自身の体内でバラバラに分解され吸収される。そのプロセスが、さらに可視化されたような感覚を覚えました。

★別途にまとめます。

 

🎨『モネからリヒターへ』展

2022.06.14  箱根ポーラ美術館

箱根ポーラ美術館の開館20周年記念展。「光」をテーマとしてモネなどの印象派からリヒターをはじめとする現代美術までをとりあげています。

ハマスホイが観られたのは嬉しかった!!

★別途にまとめます。

 

🎪コンサート&能『TANGO DEL NOH(能) そして「おさん」』

2022.06.15 銕仙会能舞台

ピアソラのタンゴの生演奏が流れる中で、太宰治作『おさん』の一人芝居と能の演目『井筒』『道成寺』の舞が重なる。

いくつもの哀しみがあふれ、響きあっていました。

 

 

👘「芭蕉布人間国宝平良敏子と喜如嘉の手仕事─」

2022.06.24  大倉集古館

沖縄の織物・芭蕉布の世界を紹介した展覧会。

芭蕉布とはバナナ の仲間である糸芭蕉の繊維を用いた布で、軽やかな透け具合に島を渡る風の音を想い出しました。

 

会場の大倉集古館はホテルオークラの敷地内にあり、建物は中国古典様式。扉などにも見入ってしまう。

 

 

📷『中藤毅彦 写真展』

2022.06.16 オリンパスプラザ

中藤先生はロックミュージシャンの写真をたくさん撮ってこられたのですね。

穏やかな風貌からパンクロックはちょっと意外でしたが、渋谷のコントラストの強い写真には、時代に挑むような勢いを感じました。