Dolaの観劇・鑑賞日記

演劇やアートに心ときめく日々の記録です

石見神楽国立劇場公演の感想・大蛇と刀剣と

2022.071.31  国立劇場

出演:浜田市石見神楽社中連絡協議会

石見神楽はすごい🐲

石見神楽を観るのは初めて!!鈴木拡樹さんが演目紹介をされるのでうかがいましたが、すっかり楽しみました。

広い舞台を埋め尽くした50頭の大蛇の動きにワクワク。 大蛇も演技していました。

「浜田石見神楽社中連絡協議会」の10社中が参加され、配役と囃子だけでも計67人。久保田岩見市長を含み関係者の方たちも入れて大型バス3台で、東京にいらしたそうです。

私が観た2部の演目は、四剣、岩戸、武の内、黒塚、恵比寿、大蛇。

きらびやかな衣裳を身につけた芸達者な方たちが、身体の動きで物語を語ってくれました。囃子もファンキーで、コミカルな演目「恵比寿」では笛がjazzのようなノリ。太鼓は10代の若者がニコニコしながら演奏されていて、ますます楽しい気持ちなりました。次の時代を担う若者達ですね。

 

 

そして圧巻の演目は「大蛇」。日本神話の「八岐大蛇」です。竹と岩見和紙で作られた長い長い提灯のような蛇胴に人が入り、ぐるぐる、うねうねと動き回ります。

石見神楽は神楽で使われている衣裳、面、蛇胴のすべてを浜田市で作っており、神楽産業と呼ばれるそうです。

 

ゲストは竹下景子さんと鈴木拡樹さん

鈴木拡樹さんは最初に花道から登場。振り袖の豪華な衣裳で、大金持ちの若旦那みたいでした。一座の座長という役どころかな。最後も全員のご挨拶の真ん中に立ち、立派な風情でした👘。

竹下景子さんは「語りべ」として作品を解説。こちらはドレスで、ブラウス部分が帯のような織。背中に立て矢結びを模した大きなリボンがあしらわれていました。エレガント✨

www.sanin-chuo.co.jp

八又大蛇が象徴したものは?

竹下景子さんがお話しされた伝説。

スサノオヤマタノオロチを退治してクシナダヒメを救ったという神話は、それぞれ象徴するものがあるといわれます。クシナダヒメは水田を象徴する女神で、これを食べようとしたヤマタノオロチは、古くから氾濫を繰り返していた斐伊川の象徴ではないかという説があります。スサノオが氾濫を起こしていた川(ヤマタノオロチ)を治水し、水田(クシナダヒメ)を守ったという話になるわけですね。

さらに、神話ではヤマタノオロチを退治し尻尾を斬った時に中から剣が出てきますが、それは奥出雲まで分け入って「たたら製鉄」を発見したことではなかったかと、考えられるそうでうす。

なんだか面白くなってきました。

奥出雲の「たたら製鉄」と≪もののけ姫≫のつながり

スサノオが発見した「たたら製鉄」は、「たたら」という足踏みのふいごのような仕組みを使った製鉄の方法です。製鉄所は「たたら場」と呼ばれます。

実は、前々から「たたら場」に行ってみたいと思っていたのですが、それはアニメ≪もののけ姫≫にでてきたからなのです。エボシ御前という女性が、障害者や世間から差別されてきた人々が働き暮らす場所として設けた場でした。

アニメのモデルは雲南市吉田町の「菅谷たたら」といわれます。

エボシ御前の心意気に憧れて、行ってみたいと思ったのですが、自動車がないと不便だったので、まだ行けずにいます。

 

出雲国たたら風土記に詳しいので、貼っておきます。

https://tetsunomichi.gr.jp/tales-about-tatara/princess-mononoke/

 

もののけ姫≫のほか、「たたら場」は小説などにも出てきます。

小説・有吉佐和子『出雲阿国

映画・『たたら侍

たたら製鉄」と刀剣乱舞のつながり

たたら製鉄」でつくられる玉鋼は刀剣の原料になります。

ですから、オンラインゲーム≪刀剣乱舞≫でも「玉鋼を獲得する」局面があるわけですね。そのゲームを舞台化した舞台≪刀剣乱舞≫で主演されているのが、今回の石見神楽のゲストの鈴木拡樹さんです。

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石見神楽からいろいろ巡ってつながりましたが、ほんとうに興味深い土地で、もっと知りたくなりました😊

 

www.kankou-shimane.com